さて、本当はスルーするつもりだったのですが。
あまりにも話題になりすぎていて、そしてあまりにも賞賛の声が多いので、流石に黙っていられなくなりました。
まあ、氏(やその他の意識高い系の方々)に対しては前々から言いたいことが山ほどあったし、それに最近はこのブログもずーーーーっとしょーもない日記ばっかりだったから、たまには少しだけ気合を入れてこういうことを書くのも悪くないかな、という気もします。
ので、氏の話した内容とそれに関連する事柄について、これからしばらく思うことを書いてみようと思います(相当な分量になる気がします!)。
祝辞は、話があっちこっち飛んでいて結局何が言いたいのかよく分からなくなっているので(正直添削してあげたいぐらいです、ああいう文章を書いてはいけません)、まず初めに、氏の話のテーマの一つである性差別に限定して何回かに分けて論じてみます。
・・・ということで、今日は、氏の発言の最初にもあった東京医科大の入試不正に関して。
(これ、当時はイスラエルにいて色々と大変だったから拾い損ねたんですよね!)
浪人生に対する差別は置いておいておいて、今回はあくまで女子学生に対する差別についてのみ考えてみます。
・・・なんですが、その前にまずアカデミアの話を少し。
大学の教員の募集要項には、どこもだいたい、
「業績が同等と判断された場合には女性を採用する」
と明記されています。
それだけではなく、日本では女性限定の教員採用の公募まで存在します。ここわずか半年の間に複数回目にしました。(そのうちのいくつかは国立大学だったと記憶しています。)
また、日本はどうだか知りませんが、女性に限定した conference だったり奨学金だったりも世界ではごくごく一般に存在します。
男性女性ともに応募できる奨学金でも、募集要項に「女性の積極的な応募を歓迎する」とはっきり書かれているものが非常に多いです(というかおそらくそれが大半です)。
こういうのは、アカデミアだけでなく企業も同じですよね。
例えば、「○○年までに女性の管理職を○○%まで上げる」なんていうのは皆さんもよく聞きますよね。
僕は、32年間生きてきて、意識高い系の人が上にあげたことを「男性への差別だ」と批判するのをただの一度も聞いたことがないです。
“Diversity” のため、つまり、
「女性が男性よりずっと少ないから」
という理由で、上記のことは「正しいこと」だと考えられているのでしょう。
・・・さて、アカデミアの話が長くなりましたが。
これ、おかしいと思いませんか!?
どう考えても、これはダブルスタンダードではないんですか!?
何故、「女性が少ないから」という理由で女性を優遇するのは「正しい」行為であって、「男性医師の方が戦力になるから」という理由で男子受験生を入試で優遇するのは「誤った」行為なんですか!?
どこの調査だったか、確か男性医師の過半数は、この入試不正問題に関するアンケートに対し
「出産、育児で仕事を休むことのない男性の方を優先して採用したい気持ちはわかる」
のように答えていたはずです。
“Diversity” なんてものが、男女差別をする正当な理由になるんですよね!?
なら、何故これが正当な理由にならないんですか!?
どう考えてても、これは “diversity” なんてものより遥かに遥かに「正当な」理由じゃないんですか!?
・・・と、いうことで。
僕の gender discrimination に対する view は、端的に言うと、
「今の世の中(先進国限定です、パキスタンとかの途上国は当然含みません)では事実上全てにおいて女性が圧倒的に優遇されている。それにも関わらず、(意識高い系か否かに依らず)人々はそれを何の疑問にも思わず全く当然のこととして受け入れている。(または、不満に思ってはいても “sexist” というレッテルを貼られるのを恐れて声に出せないでいる。)意識高い系の人々は、女性がほんのわずかでも「差別」されている事柄を探し当てては、それは社会通念上許されないことだと大声で糾弾する」
といった感じですね。
・・・さて、ではまだ書きたいことの10分の1も書いていないので、それらはまたそのうちに!
ではではー☆
追記:
1)誤解する人はいないと思いますが念のために書いておくと、もちろん僕は入試不正が正しい行為だったとは思っていないです。
2)ついでにもう一つだけ念のために書いておくと、僕はどんなに不利な条件下でもアカデミアで職を見つけられるという自信があるので、だから別にアカデミアにおける女性優遇を特に不満に思っているわけではないです。